「あ、明。」

瀬名と明は同じ中学出身だったから家もわりと近いんだっけ。

 「どうしたの?
  瀬名になんか用事?」

…この様子だと、なんも知らないのかな。

 「瀬名さ、最近なんか変じゃなか
  った?」

真瞬君が明にそう投げかけた。

 「特には…。」

…そっか。

 「でも、今は旅行中でしょ? 
  家にはいないんじゃないの?」

 「それが…。」

ソラ君に口を塞がれた。

 「なんで?
  明にも手伝ってもらった方が…。」

 「これはオレらの問題でしょ。
  他の人には迷惑かけちゃ悪いし。」

ソラ君がこんなことを言うとは思わなかった。

 「んじゃ、そーゆーことで!
  じゃーな、明!」

きょとんとした顔の明が遠ざかっていく。