「俺ら軽音部じゃん。
  仲間だろ?
  何でも話せよ。」

真瞬君が瀬名の手をやさしくとった。

 「俺、瀬名のこともっと理解したい。」

郁月君が瀬名の頭を軽くなでた。

 「オレらが瀬名のこと何でも受け入
  れるって。」

そう言って瀬名を抱きしめるソラ君の目には、うっすらと涙がたまっていた。

 「ありがと。皆。
  …でも、そのうちわかることだ
  から。」

今日は帰る。

そう言って瀬名は部室を出て行った。

ドアの閉まる音が静かな部室に響いた。

 「俺らじゃ…ダメなんかね。」

ソラ君の目からポタポタと涙が落ちていた。

…やめてよ。

あたしまで泣きたくなるじゃん。