毎日の稽古。

現役時代と変わらなかった。

こっちが頼まれてやってんのに、これはないんじゃねぇか?

俺もさすがに鬱憤が溜まってきていた。

 「親父。
  どーゆーことだよ…。」

親父を睨みつけた。

 「稽古もせずに舞台に立つなんてあ
  りえないだろ?」

 「俺は仕方なくやってやってんだろ?
  それはどうなんだって言ってんだよ
  !」

…手が出た。

親父を初めて殴った。

久し振りに会えて嬉しかったはずなのに。

俺は走った。

…軽音部に帰ろう。

親父は追ってこなかった。

ベースが弾きたい。

舞台の俺…。

あんなのは俺じゃない。