「可能性は低い…かな。」

手術ねぇ…。

 「少し考えさせてください。」

 「うん。じゃあ。」

俺は薬を飲み込んだ。

…ただの鎮痛剤ってやつだ。

まぁ、症状も少しは緩和してくれるらしいけど。

 「手術…。」

左腕が治るのなら受けたい。

 「亜緒…。」

俺のことなんてどうでもいい。

俺は亜緒が心配だ。

腕なんてどうでもいい。

俺の腕が治っても、亜緒の心は?

もう治らないかもしれない。

そんなの…おかしい。

アイツを守った証。

そう思えばいいのか?

だとしたら…亜緒は喜ぶだろうか?

…そうは思わないと思う。





…正直…そんな勇気はない。