視線を戻すと、あたし達の周りには沢山の人がいた。

さっきまで自分達のテントの近くにいたはずなのに…。

…こんなに沢山…?

マジ…?

 「アンコール!」

拍手共にそんな声が上がった。

アンコールという声がどんどん大きくなっていった。

…嬉しい。

…すごく嬉しい!!

 「あ、ありがとうございます!!
  …どーする?翡波?」

翡波もかなり動揺しているのが伺える。

 「え…。
  まさかここまでとは思ってなかっ
  た…。
  青いベンチでも歌うか?」

あたし達のはじめてのライブ…。

 「…それなら歌える。」

翡波のギターがまた響き始めるとまた静かになっていった。

あたし達のはじめてのライブはこうして幕を閉じた。