「よし。
  行くか。」

 「うん。」

キャンプ場ではちょうど夕飯時。

あたし達もカレーを作った。

 「いきなり歌い始めても大丈夫か
  なぁ。」

 「そんなもんだろ。
  間違ったらゴメン。」

翡波が弾き間違えるなんてありえない。

三日月のギターって結構簡単だってソラ君が言ってたし。

息を吸い込んだ。

翡波のギターが風に流れるように響き始める。

視線が集まったのを感じた。

自然と緊張はしなかった。

…空を見てるから。

綺麗な三日月を星を眺めながら歌う。

…気持ちいい。

もうすぐ…曲が終わる。

曲が終わってしまうのが惜しいと思ってしまった。