「辻本さーん。」

 「すんません、薬…。」

いつもの看護師が机に水と薬を置いた。

あとから整形外科の医者まで入ってきた。

 「あ、先生…。」

なんだよ、その書類。

 「これ、手術のことで…。」

 「手術…?なんの?」

医者が俺の左腕に触れる。

…俺の左腕は何も感じない。

 「大学病院で受けることになるんだけど…。」

 「…成功する確率って…?」

 「…なんともいえない。」

低くもなく高くもないってこと?

つまり…成功するかもしれないし失敗するのかもしれないわけ?

 「失敗したら?」

 「腕はそのままだ。」

…そんなにすぐに決められることじゃないよな、これ。

 「…リハビリじゃ治らないんですか?」