また救われた気がした。

 「俺も混ざってくる!!!」

サトルはあたしの髪をクシャッとさせて、明達の方に向かっていった。

 「体力なさすぎー!
  バカー。」

 「うっせぇよ!」

…また助けられてしまった。

あたしは…皆にまだ何もしてあげられてない。

あたしばっかり。

あたしばっかりが…助けられてる。

 「…歌うしかないのかなぁ。」

転がっていたペットボトルのキャップを軽く蹴った。

キャップはコロコロと音を立てて転がったあと、石にぶつかって倒れてしまった。

 「あたしにそっくり。」

何かにぶつかっては倒れて、何かにすぐ影響されて…。

そんなあたしだけど…皆がいる。

皆のためにも…学園祭、頑張らなきゃね。