「お疲れ!
  瀬名!」

…うぜぇ。

俺は父さんが嫌いだ。

いい歳こいて女形。

 「…っ。」

『女装癖あるんだぜ、コイツ。』

…記憶が蘇ってくる。

 「…もうやめたんだよ、俺は。」

 「すまん、瀬名。
  今日はありがとな。」

…報酬?

んなもんいらねぇよ。

 「…ほっといてくれ。」

俺は足早に会場を去った。

…部活にはもう間に合わない。

声をあげて泣いた。

あんな姿をまたするなんて…

屈辱だった。

無様な自分に腹が立った。