缶は綺麗な弧を描いてゴミ箱に入った。

そんなことを軽々とこなしてしまうソラ君をまたカッコイイと思ってしまう。

 「そういえば今日な、裕也先生が
  アンケートの結果持ってくるっ
  て。」

 「へぇ…。」

顧問であたしの担任の井上先生が部活見に来ないだとか、世界史の先生の字は汚いだとか。

そんな他愛ない会話が楽しい。

それはきっと相手が好きな人だから。

でも…。

やっぱりこんなに近くにいるのに遠い。

 「…手、離すよ?」

 「あ、うん。」

手が離れていった瞬間に心に昨日の生ぬるい風が吹いたような気がした。

 「遅れてゴメン!!!」

 「おっせーよ!」

…温もりが薄れてく。

…ソラ君。