「…ほら。」

ソラ君が途中に立ち寄ったコンビニでジュースを買ってくれた。

 「…ども。」

いつもはおしゃべりなソラ君の口数が少ない。

…気まずいな…。

 「大丈夫?」

 「…うん。」

…ソラ君は悪くない。

でも、ズルい。

こんな時でもまだ手を繋いだままでいてくれる。

 「…なんか、亜緒が元気ないとオレ
  も元気でないんだけど。」

 「あ、ゴメン。」

謝った瞬間に頭を無造作になでられる。

 「謝るなって!バカ。
  ほら、今日も歌うんだろ?」

 「…うん!」

ソラ君の笑顔を見ていたら自然と笑顔になれた。

 「じゃ、いくか!」

ソラ君が空っぽになったジュースの缶をゴミ箱に放り投げる。