あたしは木の陰に隠れていた。

ソラ君が校門に到着したみたいだ。

 「あ、先輩!!」

唯がいかにも作った声で言う。

 「ゴメン。
  遅れちゃった。」

そのさりげない笑顔に女子はキュンときちゃうんだろうな。

 「…そ、それで…返事は…。」

 「…嬉しいよ。 
  ありがとね。
  …でも、オレさ…。」

告白失敗か。

…安心してる自分がいる。

 「オレ、好きな人いるんだよね。」

ソラ君の言葉に絶句した。

…好きな人いたんだ。

 「…そうですか。  
  ありがとうございます。
  わざわざ直接返事してくれて。
  …それじゃ。」

唯が逃げるようにその場を立ち去った。

…ココは追いかけて慰めるべき?