「最近、ソラ君のことよく見てる
  よね。」

瀬名がチューニングをしながらそう言った。

 「そんなことないよ。」

 「歌ってるときもずっと見てる。」

あたしの言葉に追い討ちをかけるように瀬名が言う。

 「違うってば!!」

…思わず大声を出してしまった。

 「どーした、亜緒。
  元気いいな!」

 「違っ…。」

恥ずかしい。

瀬名のせいだよ。

 「そーゆーことか。
  予想的中!」

瀬名があたしを指さす。

本当に…そんなんじゃないのに。

 「亜緒、暇な時…。
  目ぇ通しておいて貰ってもいい
  ?」

翡波から一冊のノートを渡された。