あたしの目には学園祭のライブで注目を集めるであろう軽音部がうつっている。

…でも、考えてみればあたしも軽音部なわけで。

なんかややこしいけど。

この場所で歌えていること。

あたしを支えてくれている人達に…。

感謝しながら歌っていきたい。

この瞬間を忘れたくない。

 「Ok!
  いいじゃん!!!
  当日楽しみだなー。」

 「まだ早いだろ、マッシュ!!
  それと、亜緒。」

郁月君があたしの方に顔を向ける。

 「ソラの声量に負けてる。
  もっと腹筋使って。」

郁月君の厳しい的確なアドバイス。

薄々感じてはいた。

 「じゃあ、オレがもうちょい下
  げて歌うわ。」

 「それは意味ないだろ。」