「早く二年になりてぇー。」

サトルが扇子を開いたり閉じたり。

最近、気温が上がり始めたらしい。

薄着の人が増えてきた。

もう6月も終わりだ。

噂によると、北海道の夏休みはあっちよりも短いらしい。

なんだ、それ。

つまんない。

でも、夏休みは部活三昧なんだろうな。

それはそれで悪くない。

窓から少しだけ風が入ってくるのが心地いい。

 「亜緒、夏休みどっか行かない?
  このメンバーで!」

このメンバーってのはサトルと明と翡波とあたしでってことだ。

 「いいね!
  予定いつ空いてる??」

サトルはいつでもいいって言っていたけど、明はバスケの遠征もあって結構忙しいみたいだ。