「わりとひねくれてるよな、お前。」

 「んなことねぇよ!」

それから郁月は先の話には触れなかったけど。

…なんで今更郁月がそんな話をするのかがオレには理解できなかった。

 「青春だな、ソラ。」

 「知らねぇから!」

…無性ににギターが弾きたい。

歌いたい。

全部忘れたいのに忘れられない。

そうだよ。

何もかも。

 「明日さ、ココらへんの土産屋行
  かない?」

ガイドブックを手に郁月が話し出した。

なんとなく相槌を打ってるけど…話は頭に入ってこない。

 「…聞いてる?」

 「うん。
  いいんじゃね?」

何考えてるんだよ。

それくらい…わかってるだろ?