「で?
  結局どうなの?」

 「どうって…。
  別に普通だよ。」

Tシャツ濡れちゃったよ。

何言い出すんだ、コイツ。

 「あんなにちょっかいだしておい
  て?」

 「それは…面白いから。」

反応がね。

怒られたくてやってるわけじゃないんだ。

 「…亜緒は沙紀に似てるよな。
  お前ら見てると思い出す。」

…わかってるよ、郁月。

沙紀はもういないことくらい。

…もしかしたら、オレは亜緒に沙紀を重ねてるのかもしれない。

 「そっかな?
  沙紀は沙紀だろ?」

郁月にじゃない。

自分に言い聞かせた。