『なんで?』

 「…わかんない。
  だから困ってる。」

ほんと…なんなんだろ。

 『もしかして…元カレのこと…。』

 「それもあるかもしれない。」

あたしのせいで頼哉の腕は…。

そう思うと怖い。

 『まぁ、いいんじゃない?
  亜緒自身のことだし。』

明がいつもの調子でそう言うから、なんか大丈夫な気がしてきた。

 「…そーだよね…。
  そっか。」

 『あ、電車来た。
  じゃ、またね。』

…ソラ君かぁ。

嫌いじゃないよ。

どっちかっていえば…“好き”に分類されるんだけど…。

それって恋愛感情なのかもわかんない。

人を好きになるとか、付き合うだとかよくわかんなくなっちゃったんだよね。

…麻痺してる。