空が赤くなってきた。

空を泳ぐ雲も赤く染まっていく。

…少しだけ寂しくなる。

こんなときはあの人の歌が聴きたくなってしまう。

…落ち着けない。

練習中もこんなんだった…。

ダメだってわかってても…理解してても…。

 「ツラい。」

♪~♪~…。

そんなあたしを見かねたようにケータイが鳴った。

 「…明?」

 『ゴメンね。
  やっぱ気になって。』

やめてよ、明。

気が緩む。

 「え?」

 『ほら…
  今日さ、夏目と話してたでしょ?
  なんか言われた?』