肩を叩かれたので振り向くと、知らない女子がいた。

多分、うちのクラスじゃない子。

 「そう…だけど。」

その子の顔が急に明るくなる。

 「やっぱり!!
  転校してきた時からずっと見てた
  の!」

…ずっと見てた?

 「唯~!」

その子の名前を呼ぶ声だ。

 「じゃあ、また!」

…じゃあって…。

あの子、唯っていうんだ。

隣のクラス…?

もしかしたら3年生かもしれないし…。

足取りはなんだかいつもより重い。

 「…亜緒。」

 「あ、明!
  …元気ないね?」

明が珍しく溜め息をつく。