「おはよー。」

真瞬君がいない朝。

やっぱり、なんか物足りないっていうか…。

 「おはよ、亜緒ちゃん。」

真耶はもう準備を終えてソファに座ってテレビを見ていた。

最近、人気の出てきたバンドの特集がやっている。

…そういえば、うちのバンドってバンド名ないんだろうか?

今日、翡波に聞いてみよう。

 「真耶、そんなにゴロゴロしててい
  いの?」

 「うん。大丈夫ー。」

真瞬君のママは朝は忙しそう。

真瞬君のパパはもう仕事に行ってしまったらしい。

 「亜緒ちゃん、時間じゃない?」

時計を見ると予定の出発時間の10分前だった。

 「ヤバッ。」

朝食のパンを口に押し込んであたしは家を出た。

1人で歩く通学路は心なしか寂しい。

なんだかなぁ…。

 「宮野さんでしょ!」