「やめてくれよー。
  もう過去のことじゃん!?」

瀬名が顔を赤らめる。

過去のこと…か。

 「でも、瀬名も綺麗だったんで
  しょ?」

あたしが明にそう聞くと、明はうんうんと頷いた。

 「めっちゃ綺麗!
  踊りも上手だったしね!
  なんでやめちゃったの?」

 「飽きたから。
  音楽も真面目にやりたくなって
  きたし。」

通された奥の部屋で翡波がチューニングをしていた。

 「…明っ?」

翡波が顔を上げる。

 「翡波が真面目にやってる…。」

 「失礼なヤツ。
  俺だって真面目にやる時はやる
  んだよ。」

翡波は部活だけは真剣にやってるし。