「たまにはあの声も使ってみようか
  な。」

 「あの声?」

ソラ君は大きく息を吸って、歌いだした。

曲は絢香の…三日月。

あの時の…

女の人の声だ…。

あたしは息を呑んだ。

…綺麗な声だ。

これが奇跡の歌声…?

キラキラしてる。

 「あ~あ。」

 「凄い…。
  どうやったら出るの!?」

ソラ君が得意げに笑った。

 「内緒♪」

 「え~!?」

ソラ君は地声も綺麗だけど…歌声はもっと綺麗。

 「…気づいたら出せた。
  才能ってヤツ?」

 「いいなぁ。」

あたしもそんな声が出るようになりたい。