「亜緒ー!」「大丈夫?」「心配したよ!」

教室に入ると、クラスの皆はあたしを気遣って声をかけてくれた。

 「ごめんね!
  でも、大丈夫だから。」

皆のおかげであたしもいつも通りやっていける気がした。

 「でも、頼哉…。」

 「え…?」

 「命に別状はないらしいけど…。」

 「それって…どういう…。」

命にって…。

縫うだけじゃないの…?

 「亜緒…。あのね…。
  頼哉の腕…もう動かないかもしれない
  んだって。」

なにそれ…ちょっと待ってよ。

 「ゴメン、亜緒…。
  私…。」

…わかってるよ、樹乃。

あたしの為だよね?

 「…っ亜緒!!」

 「あたし…帰るね。
  犯罪者…みたいだし。」

犯罪者…思ってもいないことを口に出した。