昴は
アクロバットな動きで飛び上がり
情け容赦なくクリスの首に踵落としを決めた
「アイツ……ひでぇな」
ポツリと琉は言葉を漏らした
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昴は地面に倒れこんだクリスを覗き込む
「相澤君」
声をかけたが当たり前のようにピクリともしない
風の能力が自分に聞かないことは桃香でわかっていた
だから相澤の風の攻撃は簡単に対応出来た
クリスは感がいいようで、手刀が避けられたが直ぐに踵落としを決められた
「相澤くーん」
「おい!」
振り向けば引きつった顔の葛城琉がいた
「青柳、お前……デュエルしてたのか?」
「はい。相澤君に頼まれたので。葛城君、見てたんですか?」
琉は少しバツが悪そうに視線をそらす
かじりつくように見ていたとは言わない
「おい相澤!起きろ」
琉はうつ伏せに伸びているクリスを仰向きに転がす
「うぅ……」
「すみません、大丈夫ですか?」
苦しげにうめいたクリスの額に手を当てて、声をかける


