「またぁ?懲りないのね」


集まったのは小学生から中学生の子供達
顔は良く知っている


「頼良姉さん、覚悟!」


いい陣形を組んでいる
無闇に能力をふるわずしっかりと頼良を取り囲む


その様子に満足してクスリと笑って、頼良は立ち上がる
同時に携帯していた銀の筒を振り下ろす

シャッと金属音を鳴らし、筒は伸びて1メートル以上はある棒となった


それに息をのんで、頼良を取り囲む少年少女達は構えた

そして、頼良に変化が起こる


「10分」


クスリと微笑む頼良が銀の棍棒を構える

頼良の透き通るような白い肌は陽に焼けた小麦色に変わった
バチッ、と耳に痛い音を立てて棍棒に電流が迸る


「10分あげるから楽しませてね?」


その言葉を合図に頼良のゲームが始まった




*******



その様子を先程の少年は苦笑しながら遥か上空から見下ろしていた


ふわりと空中に浮かぶ少年の瞳は翠色から碧色(あおいろ)に変わっている


「頼良さん相変わらずだなぁ。僕はどうしよう……」


うーんと少年は考えて何か思いついたのか、いい笑顔で移動を開始した