「レオ君はあの子の強さに興味があるだけ……だとおもうよ?」
「琉にも言われたわ……」
憂鬱なため息を吐いて、悪戯にフォークにパスタを絡める
「わかってるけど……でも、でもね、あたし……」
何か痛みを堪えるようにうつむく桃香に七瀬はなにも言えなかった
彼らは恐れている
この疑似家族……しかし、何より暖かい関係を壊したくはない
皆、幼い頃から同じ境遇に身を置いて育った
その中に年頃の男女に淡い感情が育たない訳がなかった
しかし、それは家族を壊してしまうと本能的に自分達は知っている
だから、桃香は臆病になる
七瀬にも正しい答えがわからない
桃香はガバッと顔を上げる
「アァ!やめやめ。暗いことばっかり考えるの」
「桃ちゃん……?」
「大丈夫だよ七瀬」
何かを吹き飛ばすように優しく桃香は笑った


