とある青年の懺悔

部屋を出た後、真っ先に一階に下りる。


俺を含めた家族の部屋は二階にあり、食堂、応接室、書庫などは1階にある。


自分で言うのもアレだが、この家は広すぎるし、高貴すぎる。


各部屋に敷かれた白い絨毯も、吊り下げられているシャンデリアも、何もかも。


別にそれが嫌だとは思わない。


誰もが羨むような家で生活しているのだとも自覚している。


ただ、実際に住んでみるとわかるのだが、自室から一階の各部屋に行くまでの距離が長い。


家の総面積は、多分デパートの総面積を超えてるかもしれない。


あくまで、かもしれないだけなので無闇に信用しないでほしい。


そうこうしているうちに、俺は目的地に辿り着く。


そこは、何人かの使用人が、忙しそうに動き回っている厨房だった。


昼食が終わった後だから、後片付けと掃除をしているのだろう。


俺はここで用意をするようにと、母から頼まれている。


掃除をしている使用人達には少し迷惑がられるだろうが、俺は厨房で用意させてもらうことにした。