それから2カ月に1回、1カ月に1回、1週間に1回と お菓子をだんだん頻繁に作るようになり いつの間にか卒業文集に 「パティシェになりたい」と書くようになった もちろん、作ったお菓子は全部千代子の口に運ばれていった けれど、1回だけ、クラスの人からもらったバレンタインチョコのお返しにチョコクッキーを作ったことがあった その匂いにつられてやってきた千代子に これはあげれないと言うと 「じゃあもう私にチョコのお菓子なんか作んないで!」 そう言って自分の部屋に駆けこんでしまった