そっと左手の薬指にはめて、キスをした。



...冷たい。




一つだけ残った――隼ちゃんの指輪。



首に着けていたネックレスのトップを外し・・・隼ちゃんの指輪を通して、首にかけた。



こうしたら...いつでも一緒にいられるでしょう?




「うぅ...っ・・・・会いたいよぉ....」



零れた言葉。


いくら...キミが死んでから言ったって、その言葉は現実にはならない。




キミは私の目の前で息を引き取った。


静かに・・・微笑みながら。



いつまでも一緒にいれると思ってた、結婚できるって、愛し合えていけるって...


でも・・・それは出来なかったの。




いくら神様に頼んだって、“運命”は決まっている。“永遠”なんて、あるわけない。


・・・だから...『今』を生きなくちゃいけない。

強くならなくちゃいけない...。



そういう事だと思う。