....やっぱり、良い人じゃん...新太。



キスして、泣いて、怒鳴って・・・謝った。



こんな嵐みたいな時間は一瞬に消えて、元通りの私達




そして、新太の言葉が心に鋭く突き刺さる。


・・・大好きだったんじゃないの?って...あの、悲しい気持ちを置き去りにして・・・何やってたの?って...。


・・・自分の事が情けない。



また、目頭が熱くなってくる。


・・私は...大好きだった人を忘れようとしてたんだ...



大好きな笑顔も香りも、しぐさも声も・・・強がりも――過ごした日々も。


辛いく悲しい日々から逃れるために・・・キミを忘れようとしていた。




こんな私を「好き」と言ってくれる人がいる。

こんな私を、愛してくれた人がいた。



過去の想いを私は・・・捨てようとしていた。



悲しいから逃げる

辛いから忘れる

苦しいから...隠した




キミが死んでも、世界は変わることなく回っている。


そんな事実が、受け止めれなかった。


いつだって私は・・・・あの日のまま、時計の針が止まっているというのに...



外だって出なくなった。声だって出さなくなった。想いだって・・・消えかけていた。



・・・・ねぇ

―――このままじゃ...おかしいよね?