じゃあ私は・・・一体、何が言えるというの?


励ます?―――どうやって?

じゃあ、怒る?―――私に怒る資格、あるの?


・・・・分かんないよ...私じゃ...。



「新太。ごめんなさい」


「ちょっ・・違うって逆に俺の方が謝らないといけないって!!顔上げろよ!!」


私が出来ること


そんなの・・・限られてる。



謝って...自分の気持ち、伝えないと―――...



私が顔を下げると慌てたような新太の声が聞こえる。



ずっと...ずっと、我慢させてた。

ずっと...ずっと、苦しい思いをさせてた。


「ごめんなさい」なんかじゃ、足りないくらいキミを傷つけた。


―――なのに


「さゆり!!お願いだから顔上げろ!!余計俺が虚しくなるだろ?・・・違うんだよ、謝ってほしくないんだ。隼を・・・忘れないでいてほしいんだ。」


「・・・・えっ!?」


思わず驚いて顔を上げてしまった。


新太が言った、その言葉の意味が分からなくて...


「今日、さゆりがパーティーに来たって事は少しでも現実を忘れるため。隼が死んだっていう事実から、距離を置くため。・・・違うか?」



ふと朝思った、

“ずっとずっと溜めこんでた悲しい気持ちを今日は・・・忘れることが出来るかもしれない”

この思いが頭をよぎった。