「ちょ・・・ちょっと新太!!!ほらっ帰るよ、送ってくから立って!!!」


「・・・ん゛―――!!」


「・・あぁ、もぅ!!」



一向に起きようとしない新太の体を抱え、ゆっくりと引きずり出す。



座布団やらを退かしながら、やっと出口までたどり着き新太に靴を履かせ、店内を後にした。


周りの視線も気になったけど、そんなの一々気にしてたらやってられない!と思い我慢する。



全部全部・・・コイツのせいだ....




一歩、店から出ると、外はもう真っ暗だった。




時刻はとっくに2時過ぎだし、当たり前か...




新太の肩を抱えながら、ゆっくりと足を進めていく。




「新太ーっ、そろそろ起きた?」


そっと耳元で声をかけてみる。





肌と肌を合わせているだけあって、とっても温かい。


じんわりと新太の体温が伝わってくる。





「・・・・んっ....んっ・・・さっ・・さゆり!?」


「はぁ~・・やっと起きたか、このバカが!!!」


そう言ってガンッと勢いよく頭をぶつける。



「ってぇ....この石頭が!!」


「ホントにもー・・・はいはい、起きたなら自分で歩きなさい!!」


顔を歪め頭をさする新太を、さっと離し前に突き出す。