「そうだよ・・そうだよ新太!!新太...カッコ良くなってる!!」
ビシッと人差し指を突き刺し自信満々そうに放つ。
口調で新太だって分かったけど...
身長も声も肩幅も・・・あの頃とは全然違った。
「はぁ!?もう、何だよ2人共。俺は昔っから変わってないと思ってるけど?」
声だって大人っぽくなって、サラサラの黒髪だって光に当たるたび反射してキラキラして見える。
あの頃も・・・モテていないわけでは無かった。
まぁ、隼ちゃんと比べちゃ悪いんだけど、隼ちゃんの何倍も・・ね。
でも、特定の“彼女”は作って無かったの
たまに噂が広がるくらいで、例えば・・・人妻だとか援助交際してるとか..そんなのばっか
そんな黒い噂が広がったって、いつも優しい新太でいた。
「昔っから、カッコ良かったけど。もっとカッコ良くなってる...」
ふふっと笑ってサラダに口を付けた。
トマトを口の中に入れ、甘酸っぱい酸味が口の中で広がる。
「そうかー?俺は、あんま感じねぇな~。・・・だったらさ...さゆり」
「....ん?どうしたー?」
口の中でまだ残っているトマトの味を感じながら、サラダから新太に視線を移した。
「そんなに言うなら・・・俺と、付き合ってみる?」
「・・・うん....―――って、はぁぁぁ!!??」
ゴホッゴホッ
あまりにも唐突過ぎて、思わずむせかえった。
「あははははっさゆり、むせ過ぎ!!ジョーダンだよ。俺が本気で言うわけないだろ?そんな事、隼の親友だったんだしさ」
「・・・・うん...そぉ・・・だよね」
あははっと口を引きつりながら呼吸を正す。
・・・そうだよ...
新太が言うわけないじゃん・・・あんなに私達の事、応援してくれてたのに...
きっと私を励まそうって気持ちで言ってくれた...だけ、だから。