「さゆりー何か食べる??」


ひょこっと顔を出した愛香



料理いっぱいの皿を両手に持ちニコニコと笑っている。



「あー・・どうしよっかな?じゃあ、サラダもらっていい?」


「オッケ、サラダね・・・サラダ・・・って・・・新太君!!???」


そう言った瞬間、両手に持っていた皿を思わず落としそうになる。


グラッと体が歪んだ瞬間


「――愛香っ!!!」


「篠原っ!!!―――ちょ、お前...気ぃ付けろって」


私の声を遮り、新太の声が響く。



愛香の体を、がっちりと押さえ、そして落ちそうになった皿もきちんとキャッチした。



「篠原~~相変わらずだなー」


「さすが、愛香ちゃん!」


一瞬静まったと思った空間が、すぐに笑い声で温かくなる。


皆、愛香の顔を見て爆笑していた。



「ちょ・・ちょっと皆―――!!!そんなに笑わないでよ~~」


カァァ―――ッと顔が真っ赤の愛香。


わなわなと、まだ震えが止まらない体を手で押さえながら



「ごめんね・・・新太君」


「はぁ~別にいんだけどさ。何で急に、あんな大声上げたんだ?」


手を腰に当て、少しご立腹だった。



「あ・・新太君が・・・カッコ良くなっててビックリしちゃった」


あはっと軽く笑うと、そそくさと違う人のもとへと逃げて行った。



「・・なんだそりゃ?」


眉を下げながら、不思議そうに見つめる新太



・・・・愛香..それ、確かにだよ!!


ピキーンと頭に何かがよぎる。


何時間もかかって作ったパズルが完成したときみたいに、得体のしれない“答え”みたいなのが頭に浮かぶ。