――は~ぁ。ヤキが回ったもんだわよ。
イケメン食いのこの私が、こんなキモメンに心惹かれちゃうなんて…ね。
頬をなでる肌寒い風を浴びながら、私は“は~ぁ”と軽くため息を吐く。
カレのこともっと知りたい。
もっともっと、カレを知りたい。
そんなおかしな、ありえない気持ちがフツフツと湧き上がってきたからかなぁ…。
気づくと私は
「ねぇ、この後どうする??
もしよかったら、ご飯でも食べにいかない??」
だなんて、恐ろしい言葉を口にしていた。
そんな私の言葉に驚いていたのは、私だけじゃない。
当の本人のアルフレードまでもが、キョトンとした目で私を見つめていたのだ。
な、なんでアンタがそんな顔すんのよ!!
カレのかもし出す、おかしな空気に動揺して
「な、なに!?
なんなの~!?」
目をキョロキョロ泳がせながら、思いっきり挙動不審な行動を取っていると
「ヴィオレッタ……。
君、正気なのかい??」
信じられないという顔をして、アルフレードは私をじっと見つめていた。