驚いたように私の顔を見つめるアルフレードと
居心地悪そうに、モジモジする私。
傍(はた)から見ていたらさぞかし不思議な図に違いない。
そんな居心地の悪い、なんともいえない時間がどれくらい過ぎただろう。
彼は安心したようにニッコリ笑うと
「ありがとう、ヴィオレッタ。」
そう…嬉しそうに微笑んで。
彼は、ゆっくりと私の手を取って、店の中へと入っていった。
店の中に入ると、お客さんや店員さんから浴びせられる、好奇の視線。
「なに、アレ。」
「うわっ、きもっ!!」
「あんなのによく付き合えるわね。」
「あの女、目ぇ腐ってんじゃない!?」
心無い言葉と、視線。
はぁ~
わかってはいたけど、さすがにキツイ。
でも…私も彼女達と同じ立場だったら、同じようなセリフを言うんだろうな。
だって、アルフレードは筋金入りのキモキモ・オタクなんだもん。
そんな彼がこんなお店に入るだなんて、不似合いにも程がある。



