「あ…、ちょっと!?」
私の引き止める声に彼は驚いたように振り返る。
う……!!
申し訳ないけれど、アルフレードをじっくり見ると、オタク具合に吐き気をもよおす。
このイケてない服のコーディネートだって、正直全く受け付けない。
でも…
アルフレードがさっき見せた、淋しそうな顔だけは気になった。
デコラティブ・ナイトでも
その後のメールでも
彼はずっと私を気遣ってくれて
とってもとっても優しかった。
そんな彼にあんな顔をさせてしまったのは、なんだか申し訳なくって、いたたまれなかった。
だから…かな。
「1人で見てもつまらないでしょ??
一緒に見よう??」
イケメン以外は男とみなさず、
恋愛対象からは即除外を決め込んでた
残念オンナ・遠山優希。
彼の見せた表情がやたらめったら気になって
こんな、らしくない提案をしてしまった。



