ヴァンパイアと私と血液と




「お前さ………」


「あ?」


「いや………別に」


「言いかけてやめるなよ」


悠日はガシャッと乱暴にフェンスに身体を預けるように座った



俺はその隣に立ちフェンスに手をかけた



「樋口夢亜って知ってるか?」


「樋口……夢亜?」


「晴は忘れるなって」


「知らねぇ………けど何かがひっかかる」



悠日も俺と同じようにひっかかるみたいだ


晴はわかるのに俺や悠日はわからない人物って



一体…………