「恋斗」


「あ?」


「夢亜ちんのことだけど」



夢亜ちん?



晴の深刻そうな空気とは対照的に俺は首を傾げた




「夢亜ちんって何だ?」


「何って………夢亜ちんだよ!?」


だから夢亜ちんって何だよ



少しいらつきながらも



「恋斗………魔界から帰ってきておかしい」


「は?」




自分でも違和感を感じる記憶はどうすることも出来なかった




「樋口夢亜。覚えて………恋斗の大切な人だから」



俺の大切な人…………?



樋口夢亜



胸の何処かで暖かいものがあった