散りゆく桜の花びら

「失礼します」

俺と硝子さんは、軽く会釈をして部屋に入った

其処に居たのは、若い医者

「どうも」
医者は軽く頭を下げると、俺達を椅子に座るように促した

テーブルの上には、 香月 木葉 とかかれたカルテ

それをパラパラと捲りながら、やって来た看護婦に、カルテの内容を指差しながら何かを話す

医者はやがて、こちらを向いた

胸には、 城野亮一 と、白いプラスティック製の名札に黒く書かれている