「ほら、そんなとこで寝たら風邪ひくで?」
お風呂上がりの濡れた髪をわしゃわしゃと拭きながら、レイヤはソファーに寝る私を揺さぶる。
「んぅ〜………、」
揺さぶらないで。
私、今すごく眠いんだから。
「エリコー、犯すで?」
なんて物騒な……。
ま、レイヤならいいよ。
レイヤはいつも私を大切に優しく抱いてくれる。
だから、レイヤが無理やり犯すだなんてことしないの知ってるんだから。
「だっこ……、」
「……は?」
「レイヤ、だっこして……、ベッド………、」
「ハァ……、ホンマなんやねん自分。俺への嫌がらせか?」
やべー、可愛いー。なんて言いながら、レイヤは私をベッドまで運ぶ。
レイヤは大切に優しく抱いてくれるけど、理性は短い。
私の行動一つで私色に染まってくれるなら、こんな嫌がらせも有りかな。
なんて思ったり。
「ほな、電気消すで。」
「んー……。」
灯りが消える。
モソモソと私の隣に入ってくるレイヤ。
右腕を私の頭の下に差し込み、左腕で私を抱き締める。
あぁ、暖かい。
もっとレイヤを感じたくて、くるりと寝返り、胸元に顔を埋める。
「エリコちゃん、可愛すぎ。」
レイヤの家にいるときの口癖、“可愛い”。
「おやすみ、エリコ。」
レイヤからの軽い口付けを合図に、私は深い眠りに落ちた。
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