「オジサンオジサンオジサンオジサン……」




急に“オジサン”を連呼しだしたかと思えば、




「オジサンっ?!」




レイヤは自分に向かって、ビシッと指を指した。




「お前以外に誰がいるってんだよ。」




極めつけは、笑いを堪えた結城さんの言葉。




ごめん、レイヤ。

私、今すごく吹き出しそうになった。




「アカ───ン!!」




そんな私たちを見て、レイヤは資料室を飛び出した。




── バタンッ




レイヤはオフィスに逃避行。




資料室には残された私と結城さん二人の笑い声が響いた。




これが私かあとから苦労する理由とも知らずに。