── バタン…
少し埃っぽい資料室。
「エリコ………。」
レイヤはすぐそこの壁に寄りかかっていた。
悔しいけど、絵になる。
「何ですか? ここ社内ですよ? エリコって呼ばないで下さい。」
「今は2人や。」
「…………。」
2人きりの時に解禁される関西弁。
ちょっとキュンってした。
仕事場では部長の威厳を放つため、厳しい口調。イントネーションは関西弁だけど、ほぼ標準語。
プライベートの時の関西弁。
……じゃなくて、
「大体何? なに眼力飛ばしてんのよ。」
「眼力飛ばしてへんわ、見てたんやっ!」
いやいや、眉間の皺ハンパなかったから。
「私、何かした?」
黙りこくるレイヤ。
「無いの? 有るの? どっち?」
私は腕を組んで、レイヤを睨む。
レイヤはシュンとなって、ぶーたれた。
全く、どっちが上司だか。
「……エリコは何にもしてへんよ。」
少し掠れた絞り出したような声。
ぶつかる視線。
「じゃあなんで………、」
「……や……ちやっ!」
「は……?」
「ヤキモチ妬いたんや!」
ちょー泣きそうな顔で叫んだレイヤ。
チラチラとこっちの様子を伺うレイヤ。
………可愛い。
こんなお茶目なレイヤ、嫌いじゃない。
だって、私だから見れるんでしょ?
「何に妬いたの?」
私、意地悪だから聞いちゃう。
レイヤの大好きな上目遣いで、ね。
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