── ガタン




自分の席について、パソコンの電源を入れる。




「エリコー、おはよん!」




隣を見れば、こちらも元気なお嬢さん。




私と同じOLの土屋ナナ。




同期だから、すぐに仲良くなれた。




今では週一で二人で飲みに行く。




「エリコ、さっき結城さんに誘われてたでしょ? ズルいー!」




ナナは結城さんラブ。




でもそれはファンとして。




系列会社に、彼氏がいる。




草食系の彼……。




まぁ、肉食系なナナにはお似合いだと思う。




「社交辞令だよ、あり得ないあり得ない。」




「もー、分かってないなー、エリコは!」




「………え?」




ビシッと指を指される。




何かした? いや、ないない。




「エリコは社内でも高嶺の花なんだよ? ちゃんと鏡見た?」




「見てるし。」




ムッと眉間に皺を寄せる。




「あー、可愛すぎ。とにかく、自覚しなよ? 気を付けないとその内食べられちゃうよ?」




………誰に?




「わー! 首傾げない! 可愛すぎ!」




何か、レイヤみたいなのがもう一人いるみたい。




その時、始業のチャイムがなって皆仕事をし始める。




「おっと、始まった。」




ナナは慌ててパソコンを起動させ始める。




私も仕事をしようと始めた。