都内某所
某有名デパートメンズ館



「ユカリさん、こっちのネクタイは?」

「ダメよ! ネクタイはシルク百パーセントじゃないとダメ」


「そうなんだ……。じゃあ、よくわかんねーしユカリさんの好みに任せる」


「私の好み……」


トリックスターズ
無敵の天然お姉さん系秘書が頬を赤くした。


「えっ? いや、違う! 嫌だったらいいんです。俺、自分で選びますから!」

今日は、仕事量が増え人前に出る機会の多くなった淳一のためにビジネススーツとネクタイを買いに着ていた。


特定の彼女がいる淳一だが、ユカリは常に『憧れのお姉さん』的ポジションにあるらしい。

頬を赤くしたユカリに、アタフタとした反応をする淳一。