「あゆな。お前には、許婚がいるんだ」 「イイナズケ? それってなんのお漬物? おいしいの?」 「あゆな、ふざけるな」 お父さんが私のボケを鋭くかわす。 許婚って決められた結婚相手のことでしょう? それくらい、わかってるよ。 でもこうでもしなきゃ、話なんて聞いてられなかったんだ。