『えっと…案内、しましょうか…?』

「っ…ほ、本当ですか!?」

『ッ、は、はいっ…!私、今は暇なので…っ!』


それは妃奈子も同じだった。

自分は消極的で、中々友達は作れない。

でも、目の前にいる柚とは、良いお友達になれそうだと、妃奈子も思っていたのだ。


『え、化学部に?』

「ぅ、うんっ」


視聴覚室へと歩を進めながら、すっかり溶け込んだ2人。

新しくできた友達が化学部員じゃなかったと言えど、とても嬉しく思う柚は、視聴覚室へと向かう足取りも軽い。


「私…、今まで何かに熱中したことなくって、でも、それが…なんかイヤになって。…私ってドジだし、バカで、不器用だけど、化学なら…やれるかなって、思ったから。みんなよりも遅いけど…入ろうって思って。」

『そうなんだ…!その気持ち、分かるなぁ~。』

「え…?」

『ぁ、私もね、柚ちゃんと一緒。』


一緒…?

可愛い笑顔でそう言った妃奈子に、柚はどこが自分と同じなのかが分からなかった。

その笑顔を見ている限り、妃奈子は自分よりも明るい性格なのだと思ったから。