――そして放課後。

瑞季からの返信はなかった。

それが少し気がかりな柚だが、それよりも、今から行く化学室への緊張方が大きかった。


『じゃぁね、柚!』

「ぅ、うんっ、またね、聖花ちゃんっ…!」


中々その緊張のせいで動けなかった柚の背中を押したのは、もちろん聖花。

柚を化学室の近くまで連れてくると、聖花は帰っていった。

やっぱり…ついてきてくれるわけないよねぇ…聖花ちゃん。

去りゆく聖花の後ろ姿を見つめながら、柚は思った。

だが、もう化学室は目の前にある。

覚悟を決めるしかないと…勇気を振り絞り、柚は化学室のドアを開けた…。


…ガラ…ッ

「あの…。」

しー…ん…


柚としては頑張って声もかけたのに、化学室には誰もいなかった。

う、ウソでしょ…

柚は泣きたくなった。

化学室の黒板には、“化学部員は、第3講義室に集合!”と書かれてあったのだ。