カチッ…カチカチっ…


昼休み。

柚はお弁当を食べ終わると、携帯でメールを打っていた。


―今日は用事があるので、先に帰っていてください―

カチッ…


『送った?』

「…うん。」


送り先は、瑞季。

目の前にいる聖花には、既に柚の決心は言ってある。

送信完了の文字を見ながら、柚は胸が苦しくなるのを感じた。


瑞季のアドレスは、いつの間にか登録されてあったのだ。

柚は勝手に、瑞樹がやったのだと思っている。

本当のことを言えば、柚の母親がやったのだが。


『それにしても化学部ねぇ…。』

「?何?」

『いや、別に…?オタク系が多そうだなーと思ってさぁ。』

「…それ、偏見っていうんだよ。聖花ちゃん。」

『ごめん、ごめんっ!』


柚は偏見が嫌いだ。

なぜなら、自分がよくその偏見で人に接されていたから。

だから柚は自分だけは偏見はしないようにしようといつも心に決めている。


『…まぁ、頑張りなよ?』

「うん。」

『まだ決まったわけじゃないけどさぁ…、無理して入ろうとかしなくていいんだからね?』

「うん、ありがとう。聖花ちゃん。」

『・・・ん。』


笑顔で頷く柚に、聖花は頭を撫でたのだった。